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迷宮の将軍

迷宮の将軍

ガブリエル・ガルシア・マルケス

迷宮の将軍

定価: ¥ 2,730

販売価格: ¥ 2,730

人気ランキング: 154769位

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発売日: 2007-10

発売元: 新潮社

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主人公への共感が齎した魅力の目減り
ガブリエル・ガルシア・マルケスの小説としては、『コレラの時代の愛』(1985年)と『愛その他の悪霊について』(1994年)の間、1989年に発表された作品です。ラテンアメリカをスペインによる支配から開放そして独立させ、”El Libertador”(解放者)として名高いシモン・ボリーバル(1783-1830)の死の直前の旅に題材を採ったものです。

ボリーバルによるラテンアメリカの解放後、各地のカウディーリョ(地方政治の有力なボス)達の横暴と抵抗により、彼の地は再び混乱に陥ります。彼は失望の念を抱き英国へ亡命するために、サンタ・フェ・デ・ボゴタから海沿いの街カルタヘーナを目指し、腹心の部下達と共に最後の旅へと出立します。旅の途次に彼が眼にするものは、彼の栄光の失墜と混乱に陥った街の姿であり、死の直前に失望の叫びを漏らすことになります。「いったいどうすればこの迷宮から抜け出せるんだ!」。

この作品におけるマルケスの語り口は、『コレラの時代の愛』以降更に増した饒舌さを備えています。それに加えて、ボリーバルに対しての共感のためでしょうか、彼の作品に多く現れる皮肉や諧謔は控え目なものとなっています。詳細な調査に基づいて物した作品ですので史実には忠実なものとなっていますが、マルケス独特の語り口が「物語」としてのこの作品の完成度を高めています。マルケスの作品は、ラテンアメリカならではのリアリズムと諧謔の融合を大きな特徴としていますが、ボリーバルに対する共感のためにその特徴が若干目減りしている感は否めません。

巻末に収められている評論に於いては、マルケスのみならず、ラテンアメリカ諸国の小説の興味深い背景が述べられています。この評論は、固定化した観点が作品の豊穣さを見失う危険性を示唆してもいます。

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